今でこそ、全国的にポピュラーな食べ物になっているお好み焼きだが、私がはじめてお目にかかったのは、父の仕事の都合で大阪の堺市に移り住んでからである。小学校の4年生になった年だ。大阪にはそれまで住んでいた東京では食べたことのない物がたくさんあった。さすが食道楽の大阪だと、今にして思う。たこ焼き、わらび餅などをおやつに食べる。お好み焼きもそのひとつだった。しかも親からお小遣いをもらって、近所の店に食べに行くのである。週に数回は行っただろうか。東京にいるときは、自分でおやつを買うということはなく、いつも母が用意してくれた。母も子どもが外でおやつを買うことは好まなかった。私がせがんだのか、それが大阪のやり方だと思ったのか、母はときどき私にもお金をくれて、お好み焼きやら、たこ焼きを買うことを許してくれた。駄菓子屋を兼ねていた小さい店によく行った。たいていクラスメイトが一緒で、私も大阪弁をまねておしゃべりしながら、お好み焼きを焼く。注文すると、おばさんが鉄製のコップに入ったお好み焼きの材料を持ってくる。コップ一つが一人前だ。そしてテーブルに埋め込まれた鉄板に火を付けてくれる。とてもシンプルなお好み焼きで、具はキャベツ、天かす、紅生姜ぐらいだった。それでもソースと青のり、鰹節をまぶして食べると、とてもおいしかった。妹の旦那は広島出身だ。私とほぼ同年齢の彼は子どもの頃からお好み焼きが大好物で、お好み焼きがあれば、ご機嫌だという。週末はお好み焼きを食べに行くことが多いと妹は話していた。その妹夫婦に誘われて、広島風お好み焼きをはじめて食べた時はビックリした。お好み焼きの間に焼きそばが入っていて、そのボリュームのあること。私の記憶にある関西風お好み焼きでも、その後よく食べに行っていた新宿の店のものとも違っていた。もちろん気にいってしまった。広島にはたくさんのお好み焼きの店があるそうだ。一度は本場のお好み焼きを食べたいと思っている。
縁日のお好み焼きは、いろいろな出店がある中で格別に良いにおいで招きよせられてしまう。縁日のお好み焼きを焼いている鉄板を見ていると、小麦粉と水だけでキャベツなどが入っていないタネを広島風に薄くクレープのように丸く敷い行く。その上に千切りしたキャベツを山盛りに載せて行き、細かく切った烏賊や蛸や天かすや紅しょうがなどをのせていく。具はどれもとても細かく刻まれていて、実際にどんな具が入っているかは目で見ては判らない。具を載せたら、卵をわってお好み焼きの中央にのせる場合もある。
お好み焼きは誰にでも好まれる。ソースが苦手な八十代の義母でもマヨネーズをたっぷりかけ、醤油で味を付けて食べる。私の作り方は至って簡単。改めて具材を用意しなくても保存しておいた具材を活用する事でいつでも作って食べる事が出来る。昼食時に、変化のあるものを食べたい時にはお好み焼きにする。老人世帯になってきた我が家では、大きなフライパンで一枚焼くと十分な量なので手っ取り早い。朝、冷凍庫から具材を出しておくと使いやすい状態になっている。
お好み焼きの原型となった料理は、せんびん(煎餅)という小麦粉を水で溶いて焼いただけのシンプルな料理です。中国では小麦粉などの粉を水を入れて練って鉄板で焼いた料理をせんびん(煎餅)といい、薫火とよぶこともあります。せんびん(煎餅)は餅という文字が入りますが、餅は基本的に入っていません。中国では、「餅」の字は、小麦粉や粟や緑豆などの粉を水で練って平たく成形した食品をさします。「煎」は鉄板で焼くことをさします。
お好み焼きを食べたいと思ったときは、いつも、自分で焼くことが出来るお店に食べにいったり、自分の家でプレートを使って焼いたりしています。ですが、用事があって大阪に行った時には、やはり、本場のお店で食べたいというう事で、いつも、友達に連れて行ってもらっています。ここ最近では、お好み焼きも色々と進化しているようで、色々な具材を入れたお好み焼きがあったりと種類も増えてきているようです。なので、いつも楽しみにしています。
お好み焼きといいましたら、定番商品といいましたらまず思い浮かぶのは何でしょう。私はやはり「豚玉」だと思っているんです。豚玉は、お好み焼きの定番中の定番です。ほぼすべてのお好み焼き店で取り扱って理うメニューの一つになっているということが言えるのではないでしょうか。中にはお好み焼き店に行きましたら、まずは豚玉の方を注文してみる、というような方も多いんです。それほどファンの多い存在にもなっていまますので注目です。
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